2021年1月13日
人は『忘れる』という機能を持っています。:オペレーションで安全項目を忘れないコツ①
アドベンチャークリエーションチームメンバーによるコラムです。
writer:中山泰
writer:中山泰
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人は『忘れる』という機能を持っています。
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この一文はエアリアルパークやジップラインのトレーニング時に使用するマニュアルに記載していて、受講者の皆様にお伝えしている言葉です。
忘れる事が当たり前や忘れても良い、という意味では決してありません。
忘れてしまうからこそ、施設で作成したマニュアルを理解すること。時にはマニュアルを読み返してみたり、情報が古くなった場合には改訂作業を行い皆と共有する。スタッフ同士話し合いの場を作ったり、定期的にトレーニングを実施することが大事なんです。
施設を安全に運営することにより参加者が安心して楽しむことができる。
そのために設定した安全項目を忘れてしまっては怪我・事故に繋がる恐れがあります。
参加者だけではなく、スタッフ自身にも被害が及ぶ場合があります。
では、安全項目を忘れないコツがあるのか、どこまで安全項目を設ければ良いのか、そもそも安全って何?何をもって安全? どんどん深みにハマりそうですが、エアリアルパークもジップラインもハーネス・命綱を使用した高所での活動です。
この危険な高所での活動をいかに安全にし、参加者が様々な感情・心境に出会い、心に残る活動になるかは安全な運営があってこそだと思うので、オペレーションで安全項目を忘れないコツについて突き詰めて行きたいと思います。
初回である今回は、まず施設を運営するにあたり構成される安全項目は何があるのかについて考えてみました。単純に安全に関係するものは?というと器具や施設自体を思い浮かべるかもしれません。しかし、運営するということは、運営に携わるスタッフや参加者も安全項目に構成されるべき存在です。
そこで、基本とする安全項目をまとめると【 ①人 ②器具 ③施設 】が大きな括りになるのかなと思います。
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①人(スタッフや参加者)に関係する安全項目は何があるのか?
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スタッフの場合は、まずは運営体制が整っているのかが大事です。運営するにあたり人数は足りているのか。もちろん施設毎に営業時間・形態は異なります。そのため、その施設にあった適切なシフトや体制を整えることでいついかなる状況でも対応できるようになり、安全に繋がります。
あとはスタッフの当日の体調は大丈夫なのか(怪我や病気)や運営中に各スタッフに変化がないかなどの確認・ケアが必要です。参加者の場合は、参加する条件はクリアしていのるか、体調・心境は大丈夫なのかなどを事前説明や受付時、器具を装着する際やスタートする直前などで確認が必要です。
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②器具に関係する安全項目は何があるのか?
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器具についてはエアリアルパークやジップラインなどで使用する器具が異なりますが、器具の安全項目は至ってシンプルです。使用する器具が壊れていないか?不具合はないか?などを始業前・運営中・運営後に点検確認することで安全に運営することができます。
しかし点検・確認をすることは当たり前で、それ以前にまずは各施設で使用する器具(名称や用途)、種類、数量を把握することが大事です。
責任者だけが把握しているから大丈夫なのではなく、運営に携わるスタッフ一人ひとりが把握することでいち早く器具に起きた故障や不具合の発見ができ、定期的・計画的に器具の入れ替え・購入へと繋がります。
ここでの器具の点検というと、やはり参加者が使用する器具に集中してしまいがちです。
どうしても普段使用しているスタッフ用の器具は、いつも自分が使っているから大丈夫!という心理なのか、参加者が使用する器具の点検よりも疎かになり、自分が使う物だからなのか扱い方が少し雑になりがちです。
参加者が使用する器具もスタッフが使用する器具も同じ命を守る大事な物です。
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③施設に関係する安全項目とは何があるのか?
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施設については、エアリアルパークもジップラインも、トレーニング時にお伝えしている「始業前点検・定期点検・緊急点検」をしっかりと実施することが重要です。
その日運営が行えるのか、故障・破損等の不具合が見つかり修理が必要な際には施設のスタッフで修理が可能なのか、もしくはPAJに修理を依頼する必要があるのかなど、点検をしたその後の迅速な判断も日々の安全な運営に繋がります。
常日頃からスタッフで出来ること・出来ないことや、施設に起きた異常をどう判断しその後の連絡は誰にどう伝えれば良いのか、共有方法はどうするのかを理解・明確化することも大切です。
と、こんな感じで今回は安全項目を大きく3つに分けて考えてみました。
今後は、【 ①人 ②器具 ③施設 】をそれぞれ突き詰めていき、その先はこの3つ以外でも安全について考えることができれば…。そんな感じで進めて行ければ!