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2020年10月26日

TAPチームチャレンジコース

TAPチームチャレンジコース

【特長】

プロジェクトアドベンチャージャパン(PAJ)は日本に初めての「チームチャレンジコース」を施工しました。「チームチャレンジコース」は従来型のPAロープスコースのように高所でのチャレンジを地上からビレイ(ロープによる安全確保)をするのではなく、個々の参加者が装着している器具を高所に設置されているワイヤーロープに直接取り付けるセルフビレイになっている、一度に複数人がチームでチャレンジできるという特長があります。

私たちはチームで高所でチャレンジしたいというクライアントの要望に応えて、1スパンに同時に最大8名がチャレンジでき、下層に3スパン、上層に3スパンを配置することにより、多くのチームが同時にチャレンジを進められる構造を施工しました。

従来のPAロープスコースのハイエレメントでは、ほとんどの場合、1名から2名の参加者が高所にチャレンジし、チームの他の参加者が地上で命綱を支えるというスタイルでした。しかし、今回施工したチームチャレンジコースでは、8名までのチームであればチームの全員が高所に上がり、全員が同時にお互いを支え合う状況が生まれます。

【デザインの工夫】

施工場所の面積が限られていたことから、米国で見られる1層あたり4スパンのものではなく、新たに3スパンのものをデザインしました。 従来型のPAロープスコースでは参加者がハイエレメントに挑戦するとき、ステイプルを使って一人ずつ上がっていきましたが、チームチャレンジコースでは、カーゴネットをみんなで登って行くことができます。誰もが簡単に登れ、挑戦しやすくなっています。勾配が急すぎると難易度が上がり、逆に緩やか過ぎると場所を取ってしまうので、限りがある敷地の中でベストの勾配を選びました。 今回のエレメントの選択では、やり方がひとつのものではなく、さまざまなルールを足してバリエーションを工夫できることを念頭におきました。例えば全員が板に乗ってチャレンジする、全員が手を繋いでチャレンジするなどです。みんなで頑張れば達成できるようなエレメントを選びました。 チームチャレンジコースは、イニシアティブとハイエレメントの要素を併せ持っています。時間のない学校プログラムでもみんなが挑戦することができ、全員で同じ場を体験できることが魅力です

【施工段階での工夫】

施工段階では、チームチャレンジコースは既存のPAコースと違い、一度に大人数がワイヤーロープの上に乗るので、大人数が乗ったときの張り具合に注力しました。また、カラビナとワイヤーロープが擦れるので、ビレイワイヤーロープの交換がしやすい仕組みになっています。 図面上ではレスキューなどの利便性から、ビレイワイヤーとフットワイヤーを15cmずらして設置することになっていましたが、そうなると障害物に当たらずに通ることができてしまいます。そこで現場でクライアントと相談しながら、足元にロープを通すことで、渡りづらさを加えました。 チームチャレンジコースの工法は、ほぼ従来型のPAロープスコースと同じですが、大きく違う点は、丸太を高所で横吊りして固定することです。25トンの大型レッカーで丸太を吊るして位置を決めてボルトで固定し、横に固定した丸太にビレイワイヤー、フットワイヤー、デッキを設置しました。前後のエレメントの高さを合わせていかなれければならないので、位置決めには苦労しました。

【チームチャレンジコースとの出会い】

「チームチャレンジコース」との出会いは、アメリカ東部のガールスカウトのチームチャレンジコースを見学したことでした。このコースはPA, Inc.(アメリカ本部)が施工しています。とても面白そうでいつか日本にも導入したいとずっと思っていました。ついにチームチャレンジコースを施工することができて嬉しいです。 1対1などの少人数でやる既存のコースより、みんなでできる、一緒のステージに上がっていけるのが何よりも魅力です。 見た目はアドベンチャーパークと似ていますが、挑戦する前のチームとしての準備も必要になるので、これから教育現場で力を発揮してくれるコースになっていくと思います。




コース情報

オープン:2018年
コースの情報:玉川大学TAPセンターhttp://tap.tamagawa.ac.jp/

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