インタビューvol. 32 山田裕嗣さん「自然(じねん)のままに」
生態系は誰かがコントロールして、「こっちに行くぞ!」とか、「こういう植物のばすぞ!」としているわけではないんです。環境に合わせてそのときに最適なものが繁殖するのと全く一緒で、構成する一人ひとりが、一番よかれと思ったことをやった結果、生態系は一番よい方に進化することで組織が動くと思っています。
生態系は誰かがコントロールして、「こっちに行くぞ!」とか、「こういう植物のばすぞ!」としているわけではないんです。環境に合わせてそのときに最適なものが繁殖するのと全く一緒で、構成する一人ひとりが、一番よかれと思ったことをやった結果、生態系は一番よい方に進化することで組織が動くと思っています。
最終成果みたいなものは、500年後か1000年後かもしれませんが、何かひとつでも、自分だけが初めに知る発見というのは、常に目の前に小さな人参がぶら下がっているような状態なんです。
違いを知ったうえで、これが自分には合うだろうということを、それぞれの人が見つけないといけません。あとは何のために学んでいるのかという目的ですね。時代が変われば子どもも変わります。いろいろな選択肢・可能性を示すことができても、その中で自分が何を選ぶかはその人が考えなくてはいけないことです。
「サステナビリティ」というのは、自然環境のことだけではありません。人や動物、植物などとも関係し合っています。だから「おかげさまを忘れないでね」と学生たちに伝えています。
人に対する誠実さがお米に出るような気がします。お米は生産者を映し出すので本当に面白いんです。
いつでもお互いに心を素っ裸にできることです。子どもたちのことは、同時代を生きている仲間だと言っています。「俺は昭和生まれで、お前たちは平成生まれだけど、時代云々じゃなくて、いま、この時代を共有してい生きている仲間なんだ」と言っています。
僕も「教員を辞めたい」と悩むほどしんどいことがたくさんありました。だけど多くの人たちの支えによってなんとかサバイバルしてきた一人です。サバイバルして見えてきたこと、出会ってきた人たちの価値を知っているからこそ、しんどい思いをしている人を助けていきたいと思うんです。
京都造形芸術大学芸術教養学科 学科長の早川克美さんは、通信教育で「デザイン思考」を社会人に教えています。デザイ…
ものをつくるには「ファーストステップ(最初の段階)」がとても重要です。デザインの前の調査をどれだけ詰めて行なうかで、よいものができるかどうかが決まります。
サステナビリティというのは、先のこと。持続可能かどうかというのは、今だけ生きていればいいということではないんです。