株式会社グロービス
大手システム企業での組織活性化施策において、株式会社グロービス様のパートナー企業として237名にPAプログラムを提供いたしました。
弊社をパートナー企業として選定された理由や組織開発のプロの目から見たPAプログラムでの特徴について、グロービス・コーポレート・エデュケーションの澤田様(マネージャー)、長川様(コンサルタント)にお話を伺いました。
参加したくなる研修
導入のきっかけを教えてください。
澤田様(以下敬称略):あるクライアントから組織活性化をキーワードにお話をいただきました。社員が前向きに手をあげて参加したくなるような取り組みにしたい、かつチームビルディングの要素を盛り込んで、チームの関係性をよくしたいというお話でしたので、プロジェクトアドベンチャー(PA)が一番フィットしそうだと判断しました。
どの部分が一番フィットしそうだと思われましたか?
澤田:一番はチームビルディングという目的に非常に合うと思いました。日々の業務で関わりのある人同士がチーム単位で参加する取り組みでしたので、そこにもフィットすると思いました。
体験のちから
提案の中で説明をする難しさはありましたか?
澤田:何をするのかは、なかなか伝わりにくいですよね。クライアントへの提案の2年前にグロービス社内のPA体験会に参加しました。とても印象強く、効果についても実体験としてあったので、説明しやすかったです。あとは提案の段階からPAJのコーディネーターに同行してもらっていたので、先方の不安は払拭された感じでした。
3ヶ月の間に全8回の研修を実施しましたが、1回目のプログラムで、先方の主要な方たちが一緒にPAを体験してくれたのは大きかったと思います。体験してみれば「ああ、こういうことか」と実感していただけたり、「こんなことをしたよ!」と社内で口コミで広がっていったそうです。体験のちからはすごく大きいですね。
役員や管理職の方がグループに入ると、最初はその方の顔をみながら動くという風になっていましたが、アクティビティを通してどんどん変わっていきました。下の人から意見が出たり、上の人も気負ってリードしたりせずに一緒にやるという変化が見えました。
どうしてそういう変化が出るのだと思いますか?
澤田:よく設計されていると思います。始まってすぐに、参加者の方々が「ここは普段の関係の場ではないんだな」ということがよくわかってくるんです。ニックネームで呼ぶ、体を動かす、声を出す、屋外で気持ちがいい。その場で行われるコミュニケーションが普段と違うモードに入るんですよね。そういう入りから、具体的に課題解決アクティビティに入っていきます。日頃のモードや関係性に引っ張られつつ、適宜ファシリテーターが振り返りを促したり、適度に放っておいてくれたり、的確にリードしてくださっていました。緩急のつけ方や、アクティビティの数や難易度がよく設計されている賜物だと思います。
長川:PAは、自然の中でフラットになれるのがいいなと思いました。オフィスにいると年齢や経験、役職があるのですが、自然の中でみんなが平等にいる感じがよかったです。
自然の中でニックネームで呼び合って、額を寄せ合って、チャレンジするのはいい場だったと思います。環境の中で柔らかくなっていくのがいいですね。
楽しさから活性化するチーム
参加者の活動を見ていて印象的な場面はありましたか?
澤田:サイクルタイムパズル(木の板でできたパズルをみんなで組み立てていく活動)ですね。お互いにうまくいかないときも含めて、メンバーとしてコミュニケーションを取りながらきちんとゴールに向かうという姿が印象的でした。
参加者の方からは、「会話をしながら、協力してひとつのものに取り組むのが楽しい」という感想が出てきていたのも印象深いです。
研修は、関係性向上をテーマにしていたのですが、朝バスから降りてきたときと、夕方バスに乗るときの表情の違いが如実に現れていました。
若手、中堅、ベテラン、個々人それぞれに様々な気持ちの変化が起こり、それが反応し合うダイナミズムというのがある場だと感じました。
長川:私は「アイランズ」(3つの島を板を使ってみんなで渡っていく活動)が印象的でした。途中から若手がどんどん引っ張っていきました。人から必要とされているという肯定感が芽生えていて、見ていてほっこりしました。
ファシリテーターの個性
研修を担当するファシリテーターはいかがでしたか?
澤田:ファシリテーターの皆さんのキャラクターはそれぞれ違っているのですが、距離感が絶妙です。プロフェッショナリティを感じました。
ファシリテーターによって提供する活動が全く違います。同時に複数のグループで活動していましたが、やっていることはみんな違うのに、どのチームも楽しそうでした。
それぞれにそれぞれのことをやりながら、「その日のチーム」が出来上がっていく感じですね。振り返りの方法やトーンも違うけれど、どのチームも着実にゴールに到達していました。
長川:主となるのは参加者で、そこでファシリテーターが出過てもいけないし、後ろに下がりすぎても場をつくれないと思うので、そういう意味で素晴らしい距離感だったのではないかと思います。
「PA」とは
PAをひと言で表すとしたらどんな言葉になりますか?
長川:「未知なる冒険」ですね。年齢や役職、普段の業務を越えて、みんなで冒険しに行く、その先に何かを見つけに行くというイメージです。
澤田:非日常感の舞台だてもすごく大切な要素ではありますが、本質的には「関わり合い」「支え合う」みたいなものかなと思います。PAはひとりではできないものです。そこが価値なのかなと思います。
PAはどんな課題感があるときに有効だと思いますか?
澤田:仕事が細分化されてしまうと、自分が何のためにこの仕事をしているのだろうと悩んでいる人が多くいます。特に自分一人で完結してしまうタスクですと、チームリーダーと自分の関わりはあっても、先輩や同僚との横のつながりがない環境が、業種に関わらず起きていると思います。そこに対して、より組織の関係性をよくするためや、アイデアや雑談みたいなことが起こる組織にするためというニーズはあるのではないかと思います。
長川:今回のインタビューの案件とは別に、社内向けに開催したPA体験会には、グロービスのグローバル部門の社員も参加しました。文化も言葉も異なる中、お互いを理解するのは難しいです。でも一回それを全部下ろして人間として自然に行こうという部分は大事だと思っています。言語や文化、背景が違う人達がわかり合えるきっかけになるだろうと思います。