プロジェクトアドベンチャージャパンの工事部門「CCDI(Challenge Course Design and Installation)」ディレクターの小澤新也。まだ日本にほとんどロープスコースもなければ、アドベンチャーパークやジップラインの影もなかった時代に、右も左もわからないまま現場に放り出され、現場で学びながらビルダーとしての経験を積んだ後、現職に。
初めてのアドベンチャーパーク
最初のアドベンチャーパークを施工したとき、初めてなのもあって、さまざまなトラブルがありました。嫌な思いもしたし、チーム内でケンカもしました。たくさん話し合いもして、なんとかオープン前日に仕上がりました。自分の中ではそのときのコースが最高傑作で、あれをどう越えていくかをいつも考えています。今は、CCDIチームとしての経験値も上がり、安定してコースが作れるようになりましたが、より質を上げることを常に考えています。クライアントから意見をいただいたり、質を上げる努力をすることで、新たなエレメントが生まれてくることもあります。嬉しいことに増設のご相談をいただくことも増えていて、良いコースづくりができているのではと思います。
ジップラインの距離
ジップラインは長ければいいということでもないんです。距離も大切な要素の一つではありますが、計画しているものが「その場所に合っているか」、お客様に提供したときにその場に合っているかということが大切です。距離が短くても感動がある場合もあります。
ジップラインは、元々は、橋もかけられないところの移動手段でした。普段行けないところを飛んでいけるので、景色、スリル、高さの感じなど、普段見られないものを見て欲しいですね。
日本での施工
森や自然の中のコースでは、樹木が重要ですが、日本では建築資材としての杉林が多く、細い木が多いところが難しいですね。森の中のコースの楽しさは、デザインすることですね。その場所にある樹木とクライアントの要望を元にデザインしますが、アイデアは無限です。「なんでここに木がないんだー」ということもありますが、それも含めてアイデアを考えるのは楽しいです。また私たちの強みですが、森の中で足りない箇所には丸太を建柱することもできます。
ビルダーの仕事
ビルダーの仕事は、外から見ると難しそうに見えると思いますが、意外と単純でシンプルです。私もビルダー見習いを始めた頃、こんなに簡単にできるんだと思いました。ただ、年々、器具や道具の種類が増えてきて、複雑になってきてはいます。プラモデルと一緒で、パーツが増えれば増えるほど難しくなります。
今後は、視察をしたり、CCDIのメンバーの一人ひとりがもっと理解を深めて、経験を積んで行けば、より良い方法が確立されていくと思います。
(後編はこちら)
(20171204)
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