私たちが施工した「アドベンチャーパーク・ジップライン」(以下AP&ZIP)では、お客様が円滑にかつ安全に挑戦できるように、また途中でリタイヤするときの対応などのためのコーススタッフ向けのトレーニングを行っています。全国にあるAP&ZIPでこのオペレーションとレスキューのトレーニングを担当して丸2年が経った、あっこ(稲葉明子)にトレーニングの日々を聞きました。
トレーニングで大切にしていること
各地でトレーニングを提供すればするほど、もっといい手順や器具の使い方はないのかと考えます。AP&ZIPは施設によってコースの内容も使っている器具も違うので、施設の状況に合わせて行っています。
トレーニングで難しいのは「伝え方」です。理解してもらうためにはどう伝えればいいのかといつも考えています。トレーニングを受ける人は、見て分かる人、聞いて分かる人、手を動かして分かる人などさまざまな特性を持っています。私は「とりあえず手を動かしてやってみよう」というタイプなのですが、考えてから動く傾向の人には説明を細かくするなど、その人に合わせた対応を心がけています。
もともとは、プロジェクトアドベンチャーのもう一つの柱であるPAプログラムのファシリテーターをしていました。そのときの経験は活きていると思います。トレーニングを始めるとき、PAのようにアイスブレイクのゲームなどはしませんが、挨拶も含めてたくさん話すようにして、みなさんに近づけるように心がけています。
PAプログラムではグループで何かをやるということが多いのですが、AP&ZIPのトレーニングでもグループの中でみんなでサポートし合っていこうと思っているので、全てを私一人が教えていくというよりは、みんなで確認し合う場も作りながら研修を進めていきます。
最近ではあるコースの新規スタッフのトレーニングを行いました。このときに前回のトレーニングを受けてくれたスタッフ2人が受講してくれて、一緒に作業しているのを見ていて安心感がありました。その2人は経験を活かして新規スタッフのサポートをしていましたが、一方で新規スタッフがいることで、経験者が忘れているところや曖昧になっているところを改めて確認し合うことができ、コースで必要な手順について理解を深められました。こうやって現場のスタッフによってよりよい手順が作られていくんだなと思い嬉しかったです。
コースに合わせた最適な手順を
新規コースが出来上がったときのトレーニングの他に、2年に一度の更新講習をしています。新規講習のときに教えた、「やらなければいけないこと」は押さえられているのですが、現場のスタッフがやりやすい手順に変わっていることがよくあります。ベースが間違っていなくてやることをやっていれば、手順が変わっても問題はないことがあるので、「このコースではどうすれば一番いいか」「実際の現場でやりやすいはどれか」などと現場で最適な手順を話し合って決めたりもします。
レスキューに使用する道具も「こういうのがあったらいいね」と現場の意見を聞くようにしています。そこはコースの種類も違うし一律では決められないんです。
一人ひとりの特性の違いも大切にする
説明された通りにそのままの手順としてやれる人はそのままやった方がいいし、人によっては「自分はこの辺で持った方がやりやすい」など、一人ひとりの違いがあります。
「押さえなければならないこと・やるべきこと」は必ずやるというラインははっきりしています。あとは自分たちで確実にできる手順でやって大丈夫ですと伝えています。絶対1から10まで丸っきり同じ手順を踏んでくださいというのでないんです。
逆に完全に決まっていないことに不安を感じる人もいます。はっきり決めて伝えた方がいい部分と、自由度があったほうがいい部分と、どこまで決めたほうがいいのかの兼ね合いはこれからも考えていきたいです。
(20180219)
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