今回は、玉川大学TAPセンターのスタッフである光川鷹さん(Yo)に、PAファシリテーションセミナー ベーシックコースを受講いただいた感想を伺いました。
TAPセンターは、Tamagawa Adventure Programの略称で、アドベンチャープログラムを通じて玉川学園の幼稚園児から大学生までの一貫教育の中で成長を促す場です。そこで、日々ファシリテーターとして活躍する光川さんが、ご自身のファシリテーションスキルを磨くために本セミナーに参加してくれました。セミナーのなかで、どのような気づきが得られたのか、自分を見つめ直し、成長を感じた体験について語っていただきました。

インタビューを受けてくれた方

プロフィール:Yo(光川鷹さん)
光川鷹さんは、玉川大学の学生時代にTAPインターンとして活動後、玉川大学大学院教育学研究科を修了し、玉川大学TAPセンターへ入職(現在3年目)。玉川大学TAPセンターのスタッフとして、アドベンチャープログラムを通じて園児、児童、生徒、学生、そして企業研修として社会人への成長を支援しています。

プロフィール:ヒロシ(加藤央)
加藤は、プロジェクトアドベンチャージャパン(PAJ)のスタッフとして、ファシリテーターの育成に携わっています。受講者が自ら気づき、成長できる場を提供することを重視しており、今回のセミナーでは、その願いを込めたサポートを行いました。

写真:「Yo!!」を呼ぶ際のハンドサインをする光川さん(左)と加藤(右)

Q:今回のセミナーに参加されたきっかけは何だったのでしょうか?

Yo: PA(プログラムアドベンチャー)の講習会にはこれまで何度も参加していたんですけど、ファシリテーションスキルをもっと深めたいという思いがありました。AP(アドベンチャープログラム)やテクニカルスキルの各種講習会を受けて次のステップに進みたかったんです。特に、実際にプログラムを運営していると、自分のやり方が本当に効果的かどうかを改めて考える機会が少なくて。だから、このセミナーを通じて受けたいと考えていました。

Q:受講して、どんな気づきがありましたか?

Yo: セミナーを終えて以降、プログラムの振り返りをする際に、自身の立ち居振る舞いが「ファシリテーター」として在れていたのかを省みることが増えたように思います。参加者自身が気づきを得られるように、どのようなサポートが必要かを考えることが大切なんだと気づきました。

Q:具体的に、どのような場面でそれを感じましたか?

Yo: ロールプレイが特に印象に残っています。自分が参加者役の人たちにどう働きかけるか、実際にやってみることで、理論ではなく体験として学べたんです。普段は、自分がやっていることに疑問を持たないまま進めてしまうことが多いんですけど、このセミナーでは「今の自分のアプローチで、本当に相手の成長につながっているのか?」と深く考えるきっかけになりました。特に、ただ場をリードするのではなく、参加者にもっと自由に考えてもらう必要があると感じました。

Q:それによって、今後のファシリテーションにどのような変化がありそうですか?

Yo: ファシリテーターとして場を見て、起こっていることからトークで展開していくことは、往々にしてあることです。でも、今回のセミナーで学んだのは、参加者が自ら学び取ることができる環境を作るのがファシリテーターの役割だということ。そのため、今後はもっと参加者に考える時間を作り、対話を重視するファシリテーションを心がけたいと思っています。自分が語るのではなく、参加者にスペースを作ることで、自然と場が進化していくという感覚を掴みました。

Q:主催者として、Yoさんのような受講者に対して、どのようなサポートを提供していましたか?

ヒロシ: Yoをはじめ、多くの受講者が抱えている課題のひとつとして挙げられるのは、自分のファシリテーションにおける対象者への観察や働きかけのパターンが固まってしまうことだと思います。だからこそ、このセミナーでは「ファシリテーターとしての自らの気づきの促進」に焦点を当てました。ファシリテーターとしての自分を振り返るために、受講者同士が対話し、ロールプレイを通じて実際の場面を体験してもらうようにしました。それによって、自然に自分のファシリテーションにおける観察や働きかけのクセをを自覚し、改善点を自ら見つけられるようサポートしました。

Q:セミナーを通じて得た学びの中で、特に大きかったことは何ですか?

Yo: それはやはり、「自分自身を見つめ直す」ということです。自分が今までどのようにファシリテーションを行ってきたのかを振り返り、その中で「やりすぎてしまう部分」に気づくことができました。自分が一歩引いて、参加者にスペースを作ることで、より多くの学びや気づきを引き出すことができると実感しました。

写真:感想を熱く語ってくださる光川さん

後編へ続く

(20241001)