プロジェクトアドベンチャー(PA)は、体験の機会を提供し、体験を触媒にして振り返ります。オンラインも大きな意味で「体験」と言えますが、今まで私たちが提供してきた対面で行う直接的な体験なくして、PAなのでしょうか。またオンラインで対面のような学びが可能なのでしょうか。PAJトレーナーてつ(高野哲郎)と、オンラインとPAについて話をしました。
(#01 、#02の記事)
「触れ合い」問題
「触れ合いがない」と体験的な学びは成立しないのか?もしPAの絶対条件が「触れ合い」だとすれば、オンラインではPAができないことになります。てつは、
「できる可能性を探っていきたいし、そこにチャレンジしている。オンラインだからこそやりやすいこともあるから、方法のひとつとして選んでいけばいい。PA自体の可能性をもっと考えたい」
と言っています。
「学びやすさ」は人によって違う。オンラインが学びやすい人もいるでしょう。多様な学びの機会があるのはいい。そこにPAJはどう向き合っていくのでしょうか。
多様な学び方
多様な学び方ができる時代の中で、PAJとしてどのような学びを提供できるのでしょうか。オンラインがあることによって多くの人が学びやすくなっています。
多様な人がいる中で、「チャレンジバイチョイス(自分の挑戦は自分で決める)」と「フルバリュー(最大限にお互いを尊重する)」をオンライン上でどう大切にしていくかは、これから考え続けていかなければいけないところです。
例えば、オンラインでは自分の姿を映らないようにできる「画面オフ」を選ぶことができます。ファシリテーターも周りの参加者も、画面に顔が映っていた方が関わりやすい。
「オフラインは難しいけれど、オンラインなら参加してみたい。でもオンラインで顔を映すのはできない」という人もいるかもしれません。他にも一人ひとりの安全を担保し、チャンレジできる場をどう作っていけるでしょうか?
ダイナミックでなければ学びの機会にならないのか?
「オンラインとオフラインは全く違うもので土台が違う。オンライン・オフラインのPAを比較するのはそもそもどうなのか」(てつ)
PAJがやるプログラムだから、周りも自分たちも通常(オフライン)のPAと比べがちです。今まであるものと比べていると、確かに新しいことは生み出しにくい。
対面でのグループ体験では、さまざまなことが起こり、ダイナミックです。そのダイナミックさを知っていると、ついオンラインとオフラインのプログラムを比較してしまいがちです。でもダイナミックでなければ、本当に学びの機会にならないのでしょうか?!
オンラインでアドベンチャーやフルバリューを扱えるか
いまのところ、てつと話していて共通に感じていたことは、オンラインには、オフラインのような高揚感はないということです。対面でのプログラムには、半日なり1日を共に過ごす独特の感覚があります。
この3ヶ月、オンラインの場でよい時間を過ごせているのは事実ですが、それはオフラインと比較できるものではありません。それでもてつは、
「オンラインでフルバリューを扱っていかないと、これからの世界でPAJができることが少なくなってしまいそうなので、これからもオンラインの可能性を探っていきたい」
と言います。オンラインがより主流になっていく世の中で、PAJの大切にしている「アドベンチャー」「フルバリュー」「チャレンジバイチョイス」を体現するオンラインプログラムが生まれるかどうか、それはこれからの話です。
PAJでは、これから3回連続のものや、今までのものをより進化させたオンラインプログラムが始まっていきます。今までに固執せず、でも大切なことは大事にしつつ、オンラインの持つ条件をうまく使っていきたいです。
PAJらしいオンラインはこれだ!と報告できるといいなと思っています。PAJの挑戦は続きます!
(20200730)