学びの時間!
PAJではPAプログラムのワークショップ受講、ファシリテーター向けエントリートレーニングの受講、プログラムをトレーナーと一緒に担当するOJTを通して、段階的にファシリテーションを習得していきます。
空気が冷たくてよく晴れた日、8人のファシリテーターが参加し、エントリートレーニングが行われました。
今日のテーマは「PAプログラムのアクティビティデザインとセーフティデザインの基礎を学ぶ」です。
お互いにはじめましてのファシリテーターもいます。自己紹介しながら、今後、どこかの現場で一緒にプログラムを行うかもしれない仲間との大事な一日が始まります。
フルバチューとチャレンジバイチョイスから始まる
「フルバリュー」「チャレンジバイチョイス」という哲学はPAの根幹です。そのため、このトレーニングでは、自分にとっての「フルバリュー」と「チャレンジバイチョイス」についてペアで話すことから始まりました
「フルバリューとは何か」ということはガイドブックやホームページ等にも書かれていますが、それが「自分にとって」「いまの時点では」どんなものなのかを口にすることで、現在の自分の理解を知ることができます。「フルバリュー」「チャレンジバイチョイス」をプログラムで実践し、細部にまで練り込んでいくためには、ファシリテーター自身がその考え方を咀嚼し、体現することが欠かせません。これからのトレーニングやファシリテーターを務める中で、どのように自分の中にあるのかを考え続け、更新し続けていくことが大切です。
エレメントを使う
エレメントは使い方を間違えれば大きな怪我につながる可能性があります。各エレメントによって注意しなければならない安全ポイントが異なるため、ファシリテーターは「ロープスコースガイドブック」をベースに、ひとつひとつのエレメントの特性や危険性を理解し、グループの状態をアセスメントしながらルール設定やチャレンジ度合いの調整などをしていきます。
今日は、実際にエレメントを使ったファシリテーションをしてみて、お互いにフィードバックし合います。参加者役とトレーナーは「良かった点・改善点・疑問・アイデア(こうしてみたら…)」の4つの視点でふせんに書いてファシリテーターにプレゼントします。
次々とファシリテーター役を交代しながら、一日かけて、全員がファシリテーター役をしました。
さまざまな視点を知る
トレーナーからはもちろん、さまざまなバックグラウンドのファシリテーターからフィードバックを受けることによって、自分一人では得難いさまざまな視点を知ることができます。フィードバックを「ダメ出し」ではなく、その人の成長を願った「ギフト」として送りあえるのは、これからいろいろな場面で学び続けていくファシリテーターにとってよい刺激になります。
PAプログラムにはたったひとつの正解というものがないので、安全とPAの理念をベースにしてグループをアセスメントし、アクティビティを提供していきます。さまざまな視点を得ることで、今後プログラムをするときに違った角度からの視点を取り入れて行えることも出てくるでしょう。
体験を通した新たな気づき
「あらためてエレメントを体験できてよかった!」というファシリテーターの声をいくつもききました。ファシリテーターになると、体験者としてエレメントを体験する機会がなかなかありません。ファシリテーター自身が多様なエレメント体験を持っていることは、ファシリテーターとしての活動選択やグループを見立てることを助けてくれます。
「ファシリテーターとしての視点」と「参加者としての体験」を織り交ぜながら、ファシリテーターとしての立ち位置や視点、声かけ、そしてあらためフルバリューやチャレンジバイチョイスについて考えたり、自分自身のファシリテーターとしてのあり方を仲間と共にふりかえっているようでした。
ファシリテーションに唯一の正解がないからこそ、自分自身のあり方やファシリテーションを振り返り、それぞれの個性やスタイルを知ることによって、新しい視点を得られるよい学び合いができることを改めて実感した一日でした。
(202012)